住宅に使用されているガラスにはさまざまな種類があり、断熱性能や防露機能などには大きな差があります。その中でも断熱性能や防露機能に優れていると言われているのがペアガラス(複層ガラス)ですが、さらに機能性に優れているのが真空ガラス「スペーシア」なのです。
とはいえ、真空ガラス「スペーシア」の名前を聞いたことのないという方や、具体的にどのようなガラスなのか知らないという方も多いのではないでしょうかそこで本記事では、真空ガラス「スペーシア」についてペアガラスとの違いや特徴、メリット・注意点などを詳しく解説します。
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真空ガラス「スペーシア」とは?
真空ガラス「スペーシア」とは、2枚のガラスを組み合わせて設計され、ガラスとガラスの間が完全に真空となっているガラスです。真空ガラスは1913年に開発のアイデアが公表されてから実用に向けて開発されてきましたが、製造の難易度が高いこともあり実用化に向けて進歩はなかなかみられませんでした。
しかし、シドニー大学のリチャード・コリンズ教授が真空ガラスの研究に着手したことをきっかけにして真空ガラスの技術が大きく発展し、1989年には真空ガラスのサンプルの製造に成功したのです、その後、1997年に日本板硝子株式会社とシドニー大学が協力することで、世界初となる真空ガラスの商品化に成功しました。それこそが真空ガラス「スペーシア」なのです。
真空ガラスとペアガラス(複層ガラス)の違い
真空ガラス「スペーシア」とペアガラス(複層ガラス)は、どちらも2枚のガラスを合わせて作られるガラスということは同じですが、ガラスとガラスの間に”空気層”があるかどうかが最大の違いとなります。先ほどもお伝えした通り真空ガラス「スペーシア」には空気層はありませんが、ペアガラス(複層ガラス))には空気層があるため、断熱性能や防露機能などが劣ってしまうのです。つまり真空ガラスのほうが高性能なガラスなのです。
真空ガラス「スペーシア」の特徴・メリット
真空ガラス「スペーシア」の特徴・メリットは以下の通りです。
- 1枚ガラスの約4倍の断熱性能を誇る
- 結露が発生しにくい
- そのままのサッシに取り付けることができる
- 6種類から真空ガラスを選ぶことができる
それぞれの特徴・メリットについて、以下で詳しく解説します。
特徴・メリット①:1枚ガラスの約4倍の断熱性能を誇る
真空ガラス「スペーシア」は一般的に使用されるフロート板ガラス3mmの1枚ガラス(シングルガラス)に比べると4倍ほどの断熱性能を発揮します。また、断熱性能が高いと言われているペアガラス8複層ガラス)よりも2倍ほどの断熱性能を発揮するため、断熱性能を高めたいと考えている場合は真空ガラス「スペーシア」を選ぶことがオススメです。
このように、ガラスとガラスの間に空気層が存在しない真空ガラス「スペーシア」は、外の気温の影響を受けにくいため、室内の温度を快適に保つことができることはもちろん、エアコンも効きやすくなります。そのため、光熱費を大きく抑えることができ、1枚ガラスに比べると電気代を4割ほど削減できるというデータもあります。
「スペーシア」は一枚ガラスに比べて約40%のエネルギーを削減することができます。
引用元:日本板硝子株式会社
特徴・メリット②:結露が発生しにくい
ガラスとガラスの間が真空である真空ガラス「スペーシア」は外気の影響を受けにくいため、結露が発生しにくいです。具体的には外気温が−23℃にならないと結露が発生しないと算出されています。
寒い冬や梅雨時に発生する不快な結露。「スペーシア」は外気の影響を受けにくいため、-23℃以下になるまで結露の発生をおさえます。
引用元:日本板硝子株式会社
一般的に使用される1枚ガラス(シングルガラス)は8℃ほどで結露が発生し、結露が発生しにくいと言われるペアガラス(複層ガラス)であっても−1℃で結露が発生してしまうと言われています。どちらも日本の一部の地域を除いては結露を完全に防ぐことのできない温度となっていますが、真空ガラス「スペーシア」は−23℃以下にならないと結露が発生しないため、多くの地域で結露が発生することを防ぐことができます。
特徴・メリット③:そのままのサッシに取り付けることができる
真空ガラス「スペーシア」は厚さが6.2mmということもあり、一般的に使用されているサッシにそのまま取り付けることができます。そのため真空ガラス「スペーシア」を取り付けるためにサッシを交換する手間も費用もかかりませんし、長時間の取り付け作業の必要もないため短時間で交換することができます。また、真空ガラス「スペーシア」はすべてオーダーメイドで作られているため、断熱サッシなどの特殊なサッシであっても交換なく取り付けることが可能です。
特徴・メリット④:6種類から真空ガラスを選ぶことができる
真空ガラス「スペーシア」は、機能性や悩みに応じて以下の6種類から選ぶことができます。
- スペーシア
- スペーシア (ワイヤータイプ)
- スペーシア クール
- スペーシア静タイプ
- スペーシア クール静
- スペーシア21 (断熱クリアタイプ)
- スーパースペーシア
このように真空ガラス「スペーシア」には、さまざまな種類があるため、必要な効果を追加することもできますし、より効果を高めることもできるのです。
真空ガラス「スペーシア」を選ぶときの注意点
真空ガラス「スペーシア」は高度な技術によって作られたガラスであることから一般的なガラスよりも価格が高く、透明6.2ミリ品で材料代として49,500円/㎡程度となっています。(2023年8月25日調べ)これに加えて取扱店舗ごとに設定されている施工費用や資材費用などがかかってしまいます。そのため、1枚ガラスやペアガラスを設置するときに比べて2倍以上の価格になってしまうこともあります。ただし、光熱費を大幅に削減できる効果や生活を快適に過ごすことのできる機能が備わっているため、長期的に見ると費用が高額ではないと感じるでしょう。
まとめ
本記事では、真空ガラス「スペーシア」についてペアガラスとの違いや特徴、メリット・注意点などを詳しく解説しました。真空ガラス「スペーシア」にはさまざまなメリットがあるため、一時的な費用が高額になったとしても、電気代やガス代が高騰している昨今の現状を考えると交換したほうが結果的に費用が安くなることも多いです。
>この記事の担当者(執筆/監修)<
株式会社スマイクリエイト代表取締役/1972年5月 福岡県生まれ
・賃貸不動産経営管理士<登録番号(1)057435>
・三協アルミ(一新助家)加盟店
20代の頃は、水道メンテナンス業務を約6年経験、2003年(31歳)に老舗サッシ屋に入社。ガラス・サッシ・ドアの修理リフォーム業務に従事。その間、アパート2棟を新築、建築から修理まで住宅について様々な体験を通じ知識の習得、キャリアを積んでいく。
2019年5月にネット集客に特化したサッシ・ガラス屋ビジネスを創業。ネット集客ができる強みを生かし、集客から施工まで一貫して自社完結できるビジネスを成立させる。この事により、お客様へ、お得な料金、安心した修理リフォームサービスを提供できる仕組みを構築した。
より一層の顧客満足・従業員満足・社会貢献を目指し、トライ&エラーの毎日を奮闘中。