型板ガラス(かたいた ガラス)の修理に伺って参りました。せっかくなので本日は型板ガラスについてアレコレ説明したいと思います。型板ガラスってどんなガラス?ガラスが割れた時修理代金は高い?修理はすぐにできる?
このあたりの疑問について詳しく考えて行きましょう。型板ガラスは”霞ガラス(かすみガラス)”とも言われるガラスで広く普及されています。
型板ガラスってどんなガラス?
まずは型板ガラスについての確認から行いたいと思います。今回交換した現場の写真を見て頂ければ一目瞭然かと思います。
【型板ガラス割れ施工前】
【型板ガラス割れ施工後】
いかがでしょうか?「あ~このガラス、知ってる、ウチもこのガラスが使われている~~」と感じられる方は多いと思います。何故かって?経験上、透明ガラスと同じぐらい、いやそれ以上と思えるぐらいに使用されているガラスだからです。型板ガラスって名称はおそらく業者ではないと中々分からない専門用語に近いワードです。
当社にガラス修理を依頼されるお客様も大半の方は、「スリガラス」や「表面が凸凹してて、反対がツルッとしたガラス」この様に表現されます。
型板ガラスの作り方
型板ガラスは透明ガラスとは当然作り方も異なっています。透明ガラスはフロートガラスとも言われ、製造方法である、フロート(浮く・浮かべる)が名前の起源となっています。溶融(ようゆう)したガラスを錫(すず)の上に浮かべガラス板を製造する方法が用いられています。
一方、本題の型板ガラスは、ロールアウト法と言われる製造方法でガラスを作ります。
溶融したガラスを2本の冷えたロールの間に通して型板ガラスを作ります。下側のロールには模様が施されているため、凸凹とした模様が一方には付、もう一方は特に凸凹もなく、ツルッとした仕上がりになるのです。具体的な型板ガラスの製作手順は下記の様になります。
1.ガラス原料を溶融(高熱を加えて溶かします)
2.2本の冷えたロールを通す事でガラスを板状にすると伴にガラスの片面に模様を施します。
3.すこしずつ熱を冷まし、設定した温度までじっくり冷やして行きます。
4.ガラスを洗浄し、切断します。
5.完成、出荷となります。
型板ガラスの厚み
型板ガラスの厚みは4ミリが一般的な住宅で使用されています。他にも6ミリがあります。2ミリの厚みで梨地ガラスと言われる種類もあったのですが2021年頃に廃盤になっておりもう製造されていません。型板ガラスは多様な模様が施されており昭和時代には〇や△、☆模様などもデザインされていましたが、2022年現在では凸凹した感じの1つのデザインに統一されています。昭和時代のデザイン物も殆どが4ミリの厚みです。その為、万が一割れても現存の型板ガラスに取替え可能です。
デザインが違うので変になるのでは?と心配される方もいらっしゃいますが、実際に何度も取替しましたが、そんなに変になる事はありません。お客様も「ま~製造されていないのであればしょうがないね・・古いガラスだし」と納得して頂けるレベルです。
型板ガラスが使用されている場所
型板ガラスが使用されている場所は多岐に渡ります。
リビングの掃き出し、中桟から下の部分(今回の現場写真の様な部分)
・居室の中窓・トイレやお風呂の窓・玄関引き戸のガラス・店舗や会社の入口ドアガラス・浴室出入口の扉ガラス・間仕切り戸(引き戸)のガラス・などなど。
あなたのお部屋の窓にも使用されている可能性は高いです。
ペアガラスや合わせガラスを構成されるガラスにも使用されています。
型板ガラスの修理費用は高い?
ガラスの修理費用は、透明ガラス(厚さ3ミリ)とほぼ同じ程度です。
ガラス業者の料金設定にもよりますが、今回交換した型板ガラスの修理代金の相場で1万円~3万円といった所です。個人で経営しているガラス店(店主おじさん一人、息子一人、奥さん事務員一人)だと地方で1万円~1.5万円ぐらいでしょうか。会社組織となると1.5~2万円程度です。都心や緊急対応のガラス店だと3万円近くになってくる事もあります。
透明ガラスとほぼ同じと申し上げたのは、ガラス仕入れ原価があまり変わらないからです。詳しい原価はお伝えできませんが、厚みを考慮すると、型板ガラスと透明ガラスの仕入れ原価は大差がありません。もちろんそれぞれのガラス業者によって事情は少し異なるとは思いますのでご留意下さい。
型板ガラスはすぐに修理できるガラス?
型板ガラスは即日修理出来る可能性が高いガラスです。単板ガラスと言うカテゴリに分類されますが、単板ガラスは大きな板から小さくカットする事が出来ます。型板ガラスの定数は約900ミリ×1800ミリです。
一般的な窓ガラスで使用されている型板ガラスはこの定寸サイズよりも小さいので、倉庫や現場でガラスをカットして即入れ替えを行う事が可能です。
型板ガラス以外の、透明ガラス、スリガラス、網入りガラスも”単板ガラス”に分類されるので、即日ガラス修理を行える可能性は高いと言えます。
まとめ
本日は、日本の住宅で多く普及しているが、あまり認知されていない型板ガラスについて色々と考えてみました。身近にはあるガラスですが普段は全く気にする事もありませんからね。最後までご覧頂きありがとうございました。何かのお役に立てましたら幸いです。
>この記事の担当者(執筆/監修)<
株式会社スマイクリエイト代表取締役/1972年5月 福岡県生まれ
・賃貸不動産経営管理士<登録番号(1)057435>
・三協アルミ(一新助家)加盟店
20代の頃は、水道メンテナンス業務を約6年経験、2003年(31歳)に老舗サッシ屋に入社。ガラス・サッシ・ドアの修理リフォーム業務に従事。その間、アパート2棟を新築、建築から修理まで住宅について様々な体験を通じ知識の習得、キャリアを積んでいく。
2019年5月にネット集客に特化したサッシ・ガラス屋ビジネスを創業。ネット集客ができる強みを生かし、集客から施工まで一貫して自社完結できるビジネスを成立させる。この事により、お客様へ、お得な料金、安心した修理リフォームサービスを提供できる仕組みを構築した。
より一層の顧客満足・従業員満足・社会貢献を目指し、トライ&エラーの毎日を奮闘中。