ペアガラスに防音効果はあるのでしょうか?
板硝子協会によると、新築一戸建て住宅の窓によく採用されているのがペアガラスです。
ペアガラスを採用すると断熱性や遮熱性が上がるといわれています。
では、ペアガラスとはどんなものでしょうか。
今回は、ペアガラスとは何か・複層ガラスとは・ペアガラスの防音効果・防音効果が発揮できる環境について詳しくご紹介します。
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ペアガラスとは何か?
ペアガラスとはどんなものでしょうか?
こちらではペアガラスについて詳しくご紹介します。
ペアガラスとは?
ペアガラスとは、2枚のガラスの間にガス層があるガラスのことです。
ペアガラスは、複層ガラスの中の1つの種類のことでもあります。
ペアガラスの名称の由来
ペアガラスの名称の由来は、AGC株式会社が2枚もの複層ガラスをペアガラスとして登録商標したことによります。
商品名のペアガラスが普及するにつれて、2枚もの複層ガラスのことを一般でもペアガラスと呼ぶようになりました。
複層ガラスとは?
複層ガラスとはどんなものでしょうか?
こちらではペアガラスの名称の由来でもある複層ガラスについて詳しくご紹介します。
複層ガラスとは?
複層ガラスとは、複数枚のガラスの間にガス層があるガラスのことです。
ちなみに今回の記事でご紹介するペアガラスとは複層ガラスのことになります。
複層ガラスの仕組み
複層ガラスの基本的な仕組みは次の通りです。
ガラス + 空気層 + ガラス
複層ガラスの構成
複層ガラスは、次のパーツの組み合わせで構成されています。
項目 | 詳細 |
ガラスの種類 | 板ガラス・防犯ガラス・防音ガラス・合わせガラスなど |
ガラスの枚数 | 2枚・3枚 |
Low-E膜の有無 | Low-E膜とは放射を抑える金属膜のこと |
中空層の厚み | 中空層の厚みとは、ガラスとガラスの間の厚みのこと |
空気層の種類 | 乾燥空気・アルゴンガス・クリプトンガス・真空・その他 |
複層ガラスの呼び方の違い
複層ガラスは、ガラスの枚数で呼び方が異なります。
名称 | 説明 |
ペアガラス | 2枚のガラスの間に空気層があるガラスのこと |
トリプルガラス | 3枚のガラスの間にそれぞれ空気層があるガラスのこと |
複層ガラスの特徴
複層ガラスにはさまざまな特徴があります。
こちらでは、一般的な複層ガラスの特徴について詳しくご紹介します。
1.断熱性能が高い(断熱性能とは部屋の中から室外へ熱を逃がさない性能のこと)
2.遮熱性能が高い(遮熱性能とは室外から部屋の中へ熱を入れない性能のこと)
2.結露が起こりにくい(結露とは水滴のこと)
4.1枚もののガラスに比べて価格が高い
5.共鳴透過現象が起こる(共振がもたらすデメリットのこと)
6.1枚もののガラスと比べて防音性が低い
ペアガラスの防音効果とは?
ペアガラスに防音効果はあるのでしょうか?
こちらではペアガラスの防音効果について詳しくご紹介します。
ペアガラスには防音効果はあるのか?ないのか?
結論からいうと、ペアガラスには防音効果がある場合とない場合があります。
ペアガラスは、断熱性能・遮熱性能には優れたガラスです。
ただし、防音効果はあまり期待できません。
音域によっては、1枚ものの板ガラスよりも防音効果が低いことが証明されています。
ペアガラスに防音効果がないと言われる理由
ペアガラスは防音効果がないと言われる事があります。
では一体、なぜでしょうか?
ペアガラスに防音効果がないと言われる主な理由は、共鳴透過現象(きょうめいとうかげんしょう)が起こるからです。
共鳴透過現象とは?
共鳴透過現象とは、遮音性能を低下させる現象のことです。
遮音性能とは、音を遮る能力のことです。
遮音性能が高くなると、外から入って来る音を小さくしたり、伝わりにくくします。
よって防音効果が高くなります。
ところがペアガラスは、共鳴透過現象が起こりやすい構造なので、遮音性能が低くなってしまい、結果防音効果が低くなる構造です。
ちなみに共振現象の内、音に関するものを共鳴といいます。
まとめると共鳴透過現象が、共振がもたらすデメリットということです。
ペアガラスに共鳴透過現象が起こりやすい理由
なぜ、ペアガラスは共鳴透過現象が起こりやすいのでしょうか?
理由は、ペアガラスは2枚のガラスが空気層を挟んでいる二重構造だからです。
「ガラス + 空気層 + ガラス」の二重構造が、共鳴透過現象が起こりやすい造りということです。
まとめると、ペアガラス・複層ガラス・二重壁など、空気層を持つ二重構造を持つものは、共鳴透過現象が起こり、それにより遮音性能が下がり、結果的に一定の周波数では防音効果が乏しくなるということになります。
ペアガラスと板ガラスの防音効果の比較
ペアガラスは防音効果が低いガラスです。
ただし全ての音域に関してではありません。
こちらではペアガラスと板ガラスの防音効果が高い音域・低い音域についてそれぞれご紹介します。
中音域(1kHz以内) | 高音域(1kHz以上) | |
ペアガラス | ✖(防音効果が低い) | 〇(防音効果高い) |
1枚ものの板ガラス | 〇(防音効果高い) | ✖(防音効果が低い) |
上記のデータによると、中音域(1kHz以内)までは、1枚ものの板ガラスの方が防音効果が高くなります。
また逆に、高音域(1kHz以上)になると、ペアガラスの方が防音効果が高くなります。
ペアガラスと板ガラスの使い分け方
ペアガラスと板ガラスは音域によって使い分けることをおすすめします。
人の話し声である500〜800Hzの中音域に関して防音効果を期待するなら板ガラスです。
逆にキーンという高音域(1kHz以上)に関して防音効果を期待するならペアガラスがおすすめです。
ペアガラスと板ガラスを上手に使い分けることで、最適な防音効果を実現することができることでしょう。
ペアガラスの防音効果が発揮できる環境とは?
ペアガラスの防音効果が発揮できるようにするにはどんな環境にすればよいのでしょうか?
ペアガラスはさまざまな方法を施すことで、防音効果を高めることができます。
こちらで詳しくご紹介します。
ペアガラスに防音シートを設置する
ペアガラスに防音シートを設置すると、吸音効果が上がります。
そのため外部からの騒音を吸音して小さくしてくれます。
ペアガラスに防音カーテンを設置する
ペアガラスに防音カーテンを設置すると、室内側から外部への音漏れを防いでくれます。
二重窓にする
二重窓にすると、ペアガラスとの間にある空気層で、外部からの騒音を防音してくれます。
防音ペアガラスを設置する
防音ペアガラスを設置すると、1枚ものの板ガラスに比べると外部の騒音レベルを大幅に遮音することができます。
まとめ
今回は、ペアガラスとは何か・複層ガラスとは・ペアガラスに防音効果・防音効果が発揮できる環境についてご紹介しました。
今回のポイントをまとめると、単板ガラスと比較して、ペアガラスは周波数により防音効果がないということです。
ただし、防音ペアガラスを設置することで、騒音レベルを1枚ものの単板ガラスの半分以下に軽減する効果が期待できます。
現在、ペアガラスの導入をご検討中の方で、ペアガラスについてもっと詳しく知りたい方は窓の専門業者に問い合わせてみることをおすすめします。
この記事を監修した人
>この記事の担当者(執筆/監修)<
株式会社スマイクリエイト代表取締役/1972年5月 福岡県生まれ
・賃貸不動産経営管理士<登録番号(1)057435>
・三協アルミ(一新助家)加盟店
20代の頃は、水道メンテナンス業務を約6年経験、2003年(31歳)に老舗サッシ屋に入社。ガラス・サッシ・ドアの修理リフォーム業務に従事。その間、アパート2棟を新築、建築から修理まで住宅について様々な体験を通じ知識の習得、キャリアを積んでいく。
2019年5月にネット集客に特化したサッシ・ガラス屋ビジネスを創業。ネット集客ができる強みを生かし、集客から施工まで一貫して自社完結できるビジネスを成立させる。この事により、お客様へ、お得な料金、安心した修理リフォームサービスを提供できる仕組みを構築した。
より一層の顧客満足・従業員満足・社会貢献を目指し、トライ&エラーの毎日を奮闘中。