窓ガラスの交換を行った現場写真を掲載しています。マンションの網入りガラスでサイズがワイド(横幅)900mmを超えており少々大きな大板(おおいた)ガラスの交換です。マンションガラスを交換する時には特有の注意点もありますので、今回はこの点も含めて記事を進めて行きたいと思います。
ガラス交換の施工実例(マンションガラス)
早速ですが、今回工事を行いましたマンションガラスの施工実例を掲載いたしますね。
<ガラス交換施工前の写真>
窓のタイプは「はめ殺し」のFIX窓になります。下の飲み込み部分から中心部分の位置までヒビ割れが延びていますので熱割れの可能性が高いです。お客様も「いつの間にかヒビが酷くなっていた」と仰るように最初は極短いヒビでも時間の経過と共に振動などによってヒビが広がったのだと推測できます。
<ガラス交換施工中の写真>
古いガラスを取り除き新しい網入りガラスへと交換していきます。写真は建て付けたガラスの際にコーキングを充填する為に養生をしている段階です。マスキングテープと言う養生テープを貼り付けています。マスキングテープは剥がした時にもテープの後が残りませんのでガラス工事の他、塗装工事などでも使用される事の多いテープです。
<ガラス交換工事完了>
コーキング充填後、ヘラで綺麗に切って行きます。2~3週ヘラを回したらマスキングテープを外し仕上げ完了です。ガラスが汚れていないかチェックして汚れている部分はガラスクリーナーで綺麗に美装して行きます。はい。ガラス交換工事完了です。
マンションガラスを交換する時の注意点
今回は特にトラブルもなくガラス交換工事を終える事が出来ましたマンションのガラスを交換する際には特有のチェックポイントや注意点がありますのでしっかり確認する事が大切です。
搬入経路の確認
ガラス交換を行う場合で、特に今回の様な大板ガラスの工事では搬入経路をしっかり確認しなければなりません。1階以外の部屋で施工する場合は、基本的にエレベーターにガラスを載せて目的階まで運ぶ事になります。マンションのエレベーターは人やちょっとした荷物を運ぶ事は想定されていますが、大板ガラスを運ぶ事は想定されていない事が殆どです。その為、いざガラス工事日にガラスをエレベーターに載せようと思った所、ガラスがエレベーターに入らないなんて事もあります。非常階段で目的階まで運べれば最悪良いですが、それも出来なければアウトです。搬入経路の確認は必須です。
同じガラスを使用する事
網入りガラスを網無しガラスに変更したり、透明ガラスを型板ガラスに変更したり、この様な変更を気軽に行う事が出来ません。分譲住宅で施主の所有する部屋と言えども、窓枠や窓ガラスは専用使用権が設定された共有部分となっている事が多いです。国土交通省が公表する「マンション標準管理規約」には下記の様に記されています。
(バルコニー等の専用使用権)
第14条 区分所有者は、別表第4に掲げるバルコニー、玄関扉、窓枠、窓ガラス、一階に面する庭及び屋上テラス(以下この条、第21条第1項及び別表第4において「バルコニー等」という。)について、同表に掲げるとおり、専用使用権を有することを承認する。
2 一階に面する庭について専用使用権を有している者は、別に定めるところにより、管理組合に専用使用料を納入しなければならない。
3 区分所有者から専有部分の貸与を受けた者は、その区分所有者が専用使用権を有しているバルコニー等を使用することができる。
国土交通省「マンション標準管理規約」より
マンションそれぞれの規約となりますので、必ずしもマンション標準管理規約通りではありませんがベースとして使用される事は多く、つまり、窓ガラスは共有部分ではあるものの、独占的に使用が認められた設備と言う事になります。
その為、窓ガラスの種類やグレード等を入居者の考えで勝手に変更する事は規約の違反となります。マンション管理組合から原状回復を求められる可能性も出て来ますので注意が必要です。どうしても別の窓ガラスに取替えたいのであれば事前に管理組合に相談する様にしましょう。
ご近所様等への配慮
大掛かりなガラス工事を行う際は、隣近所に挨拶を行ったり、管理組合に相談して掲示板にガラス工事のお知らせを掲載させてもらうなどの配慮が必要です。1時間前後で終わるガラス交換工事であれば、そこまでする必要もありませんが、板ガラスを剥き出しで建物内を運搬する時、窓サッシを運搬する時、この様なマンション住人と接する機会は他の住人の目もありますので危険のない様に、建物内にゴミやチリを落とさない様に慎重に作業を進めなければなりません。
マンションのガラス交換にかかる時間
マンションで工事を行う際には、工事時間について気にされるお施主様も多いです。他の住人の方に迷惑にならない様に、この様な考えが根底にある事と推察します。
マンションのガラス交換にかかる時間を工程表形式でご説明いたします。朝9時から現場に入るスケジュールです。
時間 | ガラス交換工事工程表 |
9:00~ | 既存ガラス撤去作業 |
9:40~ | 既存ガラスを作業車に積み込み |
10:00~ | 新規ガラスを部屋まで運搬 |
10:15~ | 新規ガラスをサッシに建て込み |
10:30~ | コーキング仕上げの為の養生など準備 |
11:00~ | コーキング充填 |
11:20~ | 養生撤去 |
11:30~ | 美装・後片付け |
12:00 | ガラス交換工事完了 |
上記の様なスケジュール感になります。2名作業で今回の大板ガラスの施工を行ったケースをモデルにしています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?本日はマンションの網入りガラス交換を行った施工現場の写真やマンション特有の注意点について説明いたしました。一般家庭とは異なり不特定多数の方が生活をされているマンションでは、ご近所さんに配慮した工事を行う必要があり、当たり前ではありますが、ゴミやチリが散乱しない様な注意を怠ってはなりません。また、ガラス搬入経路がキチンと確保出来るのかについても慎重に下見を行う必要があります。これらはもちろんガラス業者に仕事です。一方で、施主様の立場から、ガラス業者に「搬入経路は?」「他のマンション住人への配慮は?」この様な点について念のために確認しても良いかと思います。
>この記事の担当者(執筆/監修)<
株式会社スマイクリエイト代表取締役/1972年5月 福岡県生まれ
・賃貸不動産経営管理士<登録番号(1)057435>
・三協アルミ(一新助家)加盟店
20代の頃は、水道メンテナンス業務を約6年経験、2003年(31歳)に老舗サッシ屋に入社。ガラス・サッシ・ドアの修理リフォーム業務に従事。その間、アパート2棟を新築、建築から修理まで住宅について様々な体験を通じ知識の習得、キャリアを積んでいく。
2019年5月にネット集客に特化したサッシ・ガラス屋ビジネスを創業。ネット集客ができる強みを生かし、集客から施工まで一貫して自社完結できるビジネスを成立させる。この事により、お客様へ、お得な料金、安心した修理リフォームサービスを提供できる仕組みを構築した。
より一層の顧客満足・従業員満足・社会貢献を目指し、トライ&エラーの毎日を奮闘中。