建築基準法で、網入りガラスの導入が義務付けられている地域とは?

ガラス

建築基準法で「網入りガラス」の導入が義務付けられている地域があります。

その地域とは「防火地域」と「準防火地域」です。

では、一体なぜ導入しなければならないのでしょうか。

今回は、建築基準法で、網入りガラスの導入が義務付けられている地域についてわかりやすくご紹介します。

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網入りガラスとは何か?

網入りガラスとはどんなものでしょうか?

こちらでは網入りガラスについてわかりやすくご紹介します。

網入りガラスとは?

網入りガラスとは、ガラスの中に「金属製の網」が入っているガラスのことです。

正確には、金属のワイヤーが縦横に交差して入っているガラスのことになります。

ガラスの中が網状(ネット)になっているものです。

網入りガラスの別名とは?

網入りガラスには、次のような別名があります。

1⃣ワイヤー入りガラス

2⃣防火設備用ガラス

3⃣線入りガラス

網入りガラスの種類とは?

網入りガラスには次の種類があります。

菱形ワイヤー

菱形ワイヤーとは、ワイヤーのデザインが「菱形」をしている網入りガラスのことです。

菱形ワイヤーは別名「ワイヤー入りガラス・防火設備用ガラス」とも呼ばれます。

クロスワイヤー

クロスワイヤーとは、ワイヤーのデザインが「縦横に配置された格子形」をしている網入りガラスのことです。

クロスワイヤーは別名「ワイヤー入りガラス・防火設備用ガラス」とも呼ばれます。

プロテックス

プロテックスとは、ワイヤーのデザインが「縦線のみ」の網入りガラスのことです。

プロテックスのワイヤーは縦横に交差していません。

そのためプロテックスは正確には「網入りガラス」ではありません。

プロテックスは縦線のみのデザインであることから、別名「線入りガラス」と呼ばれています。

各網入りガラスの目的とは?

各網入りガラスの目的は次の通りです。

菱形ワイヤー

菱形ワイヤーは、防火対策が主な目的です。

菱形ワイヤーは網入りガラスなので、建設省告示第1360号によって、防火設備として定められています。

クロスワイヤー

クロスワイヤーは、防火対策が主な目的です。

クロスワイヤーは網入りガラスなので、建設省告示第1360号によって、防火設備として定められています。

プロテックス

プロテックスは、飛散防止が主な目的です。

プロテックスには、ワイヤーの交差がないので防火設備としては認定されていません。

網入りガラスの機能とは?

網入りガラスの機能には、火災による延焼を防ぐ機能が搭載されています。

ガラスの中に入っている「金網(ワイヤー)」が火災による延焼を防ぐことに貢献しています。

一般的なガラスと網入りガラスとの火災の時の違いは次の通りです。

一般的なガラスの場合

一般的なガラスは火災の熱で割れ、崩れ落ちます。

そのため延焼につながり、火災が広がる危険性があります。

網入りガラスの場合

網入りガラスは、ガラスの中に「金網(ワイヤー)」があります。

よって近くで火災が発生してもガラスが崩れ落ちたり、穴が開いたり、飛散することがありません。

そのため窓からの炎や火の粉の侵入がなく、延焼につながりません。

火災による延焼を防ぐ必要がある建物には、網入りガラスを採用することをおすすめします。

網入りガラスの強度とは?

網入りガラスの強度はどれくらいなのでしょうか?

網入りガラスの強度は、一般的なガラスと同じくらいです。

「金網(ワイヤー)」が入っていることで特別に割れにくいわけではありません。

普通に割れます。

そのため火災の時、消防士は網入りガラスを割って中に入り、逃げ遅れた人を救出することもあります。

網入りガラスの導入が義務付けられている地域とは?

網入りガラスはどんな地域に導入が義務付けられているのでしょうか?

こちらでわかりやすくご紹介します。

網入りガラスの導入が義務付けられている地域

導入が義務付けられている地域は次の2つの地域です。

1⃣防火地域

2⃣準防火地域

導入が義務付けられている根拠は?

導入が義務付けられている根拠は「建築基準法」で定められているからです。

建築基準法の次の2つの条文によります。

・建築基準法第64条(外壁の開口部の防火戸)

・建築基準法第2条第1項第六号(延焼の恐れのある部分)

※原文のママ掲載

2つの条文を要約するとどんな意味なのか?

次の2つの条文を要約すると、以下のような意味になります。

・建築基準法第64条(外壁の開口部の防火戸)

・建築基準法第2条第1項第六号(延焼の恐れのある部分)

〇条文の要約

防火地域・準防火地域に建物を建てる場合、窓は防火戸(網入りガラスなど)にしなければならない。   具体的に次の位置にある窓は、防火戸(網入りガラスなど)にする必要がある。   (1)1階の場合は、隣地境界、または道路中心線から3m以内にある窓   (2)2階以上の場合は、隣地境界、または道路中心線から5m以内にある窓

まとめると、条文の要約の(1)・(2)にある窓は、建築基準法で網入りガラスにする必要があると定められています。

もし網入りガラスを導入していないとどうなるのか?

もし防火地域、または準防火地域のいずれかの地域で、網入りガラスを導入していないと建築基準法違反になります。

また、防火地域、準防火地域のいずれかであれば、どのような建物であっても網入りガラスの導入が義務付けられています。

そのためこれから防火地域、準防火地域のいずれかに建物を建てる場合は注意が必要です。

防火地域とは何か?

防火地域とはどんな地域でしょうか?

こちらでは防火地域についてわかりやすくご紹介します。

防火地域とは?

防火地域とは、市街地の中で火災の危険を防除するために定めた地域のことです。

具体的に防火地域とは「市街地の中心部」のことになります。

防火地域は都市計画法によって定義された地域です。

防火地域に指定される要件とは?

防火地域に指定される要件は次の通りです。

1.建物が密集している地域

建物が密集している地域とは、市街地の中心部にあり、商業施設が多く、交通量が多く、さらに常に人通りが多い地域のことです。

具体的には、駅前などの商業エリアなどのことです。

2.火災の時に緊急車両が通れる幹線道路沿いの地域

火災の時に緊急車両が通れる幹線道路沿いの地域とは、火災が発生した時に、消防車や救急車などが走行できる幹線道路がある地域のことです。

具体的には、大通りで、広い道路がある地域です。

また防火地域の建物の特徴として、鉄骨造・鉄筋コンクリート造の建物が多く、逆に木造住宅が少ないという特徴があります。

準防火地域とは何か?

準防火地域とはどんな地域でしょうか?

こちらでは準防火地域についてわかりやすくご紹介します。

準防火地域とは?

準防火地域とは、市街地の中で火災の危険を防除するために定めた地域のことです。

具体的に準防火地域とは「防火地域の外側の地域」のことです。

準防火地域の定義は、防火地域と同じです。

準防火地域に指定される要件とは?

準防火地域に指定される要件は次の通りです。

1.防火地域の外側を囲んでいる地域

2.住宅などの建物が密集している地域

3.法22条指定区域の内側の地域(絶対ではない)

準防火地域の特徴は、防火地域よりも制限が緩いことです。

まとめ

今回は、建築基準法で、網入りガラスの導入が義務付けられている地域についてご紹介しました。

今回のポイントをまとめると、防火地域・準防火地域に建物を建てる場合、建築基準法により、網入りガラスの導入が義務付けられているということです。

もし現在、網入りガラスについてもっと詳しく知りたい時は、網入りガラスの専門業者に問い合わせてみることをおすすめします。


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