昔ながらの和室に使用されている丸い窓に憧れを持っている方も多いのではないでしょうか。
実は、現代の住宅においては”和モダン”のデザインのひとつとして和室に丸い窓が採用されることも増えているのです。
とはいえ、デメリットも存在するため、メリットとデメリットの両方の側面から設置を判断することが大切になります。
本記事では、和室に使用される丸い窓の概要やメリット・デメリットについて詳しく解説します。
和室に使用される丸い窓とは?
和室の丸い窓は「円窓」と呼ばれ、もともとは禅の悟りを意味する円相(円窓)が由来とされています。
円形の窓は仏教において”完全”や”完璧”を意味するとも言われていますが、現在では円窓が使用されることに仏教的な意味合いは少なく、部屋の雰囲気に合わせたおしゃれな空間を作るために用いられることが多いです。
日本における円窓の歴史
日本においての円窓は、禅寺や禅の流れを汲む数寄屋建築などで好まれとして知られており、近世では主として書院造り、茶室、数寄屋造りなどに使用されていました。
しかし最近では、現代的な和室に使用されることも多く、歴史的・宗教的に関係のない建築デザインとして採用されることが一般的です。
和室に丸い窓を使用するメリット
和室に丸い窓を使用するメリットは以下の通りです。
- 和モダンとの相性がいい
- 防犯性能が高い
- 鍵の締め忘れがなくなる
- 部屋のアクセントになる
- 絵画のような景色を楽しむことができる
それぞれのメリットについて、以下で詳しく解説します。
和モダンとの相性がいい
伝統的な和風デザインと現代的でスタイリッシュなデザインを組み合わせた「和モダン」は非常に人気の高いデザインですが、円窓を組み合わせることによってさらに洗練された和モダンな空間を作り出すことができます。
防犯性能が高い
円窓は基本的に開閉できないように設置する手法である”はめ殺し”によって取り付けられる窓ですので、防犯性能に優れています。
空き巣の侵入経路として「窓」はもっとも狙われるポイントですが、そもそも鍵が設置されておらず、簡単に取り外すことのできない円窓を狙って住宅に侵入する空き巣は少ないため、防犯性に優れているのです。
鍵の締め忘れがなくなる
警視庁の調査によると、空き巣の侵入手段としてもっとも多い方法が、「無締まり」を狙った空き巣であることがわかっています。(参照:警視庁)
つまり、窓ガラスが破られて侵入されることよりも、窓の鍵の締め忘れが空き巣に狙われやすいのです。
そのため、そもそも鍵が付いていない円窓は空き巣の侵入経路として狙われることが少ないということになります。
部屋のアクセントになる
円窓は和室の中でも和モダンの部屋のアクセントになりやすいです。
窓そのものの存在感が強いため、部屋がシンプルでも洗練された空間になることはもちろん、光の入り具合を考えて設置することで時間帯に合わせて部屋の雰囲気を変えることもできます。
このように、円窓は部屋のアクセントとして採用されることも多いのです。
絵画のような景色を楽しむことができる
円窓から眺める風景は絵画のような絶景を楽しむことができます。
そのため、円窓を設置する場所はお庭に面している場所や、外に植物を育てられる場所に設置することがおすすめです。
また、広めのお庭があり紅葉などを楽しめるのであれば、日本ならではの風景を楽しむこともできるでしょう。
和室に丸い窓を使用するデメリット
和室に丸い窓を使用するデメリットは以下の通りです。
- 一般的な窓に比べると費用が高い
- 掃除が大変
- 換気に使用できない
- カーテンが取り付けられない
それぞれのデメリットについて、以下で詳しく解説します。
一般的な窓に比べると費用が高い
円窓は一般的な四角い窓に比べて工事の工程が長く、本体価格が高額になるという特徴があります。
具体的には、円窓の取り付け工事は一般的な窓の2倍ほど、本体価格は一般的な窓に比べて7.8倍の価格になることも珍しくありません。
このように、円窓は工事期間の長さやコストの面がデメリットとなることも多いです。
掃除が大変
円窓が低い場所に設置されている場合は掃除に手間はかかりにくいですが、高い位置に設置してある円窓は非常に掃除が面倒です。
中でも吹き抜け窓として円窓を使う場合、自分では掃除できないことも多いため、一般的には専門業者に掃除を依頼することになります。
また、窓の外を掃除したい場合、開閉式の窓であれば窓を開けることで外側も掃除することができますが、円窓ははめ殺しタイプですので、外側を掃除するためには外から拭く必要があります。
このように、円窓は掃除が面倒という一面もあるのです。
換気に使用できない
円窓ははめ殺しタイプですので、換気するときに使用することができません。
そのため、円窓を設置する部屋の窓が円窓だけの場合、それ以外の場所で換気する必要があります。
リビングなどと繋がっている部屋であればいいですが、完全に孤立しており1箇所しか出入り口がない場合は換気しにくい場合もあるため、部屋の構造にも注意するといいでしょう。
カーテンが取り付けられない
一般的な窓にはカーテンやブラインドを取り付けて外からの視界を遮ることが一般的ですが、円窓は基本的にカーテンやブラインドをつけないため、専用のカーテンやブラインドがありません。
円窓にすりガラスを使用して外からの視界を遮るという方法もありますが、それだと円窓の良さが半減してしまうこともあるため、十分な検討が必要です。
このような理由から、基本的には円窓は外からの視線を遮ることのできない窓であるということを押さえておくといいでしょう。
円窓が活用できるのは和室だけではない
円窓は和室だけに使用されるイメージが強いですが、船に使用されるアルミ製の「船舶丸窓」としても使用されることがあります。
一般的には船に使用されることが多いですが、船をモチーフにした部屋などを中心に一般的住宅でも使用されることもあります。
そのため、和室以外に丸い窓を設置したいと考えている場合は、「船舶丸窓」も検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
本記事では、和室に使用される丸い窓の概要やメリット・デメリットについて詳しく解説しました。
和室に使用されることの多い丸窓のメリット・デメリットを改めて確認してみましょう。
円窓のメリット | 円窓のデメリット |
和モダンとの相性がいい防犯性能が高い鍵の締め忘れがなくなる部屋のアクセントになる絵画のような景色を楽しむことができる | 一般的な窓に比べると費用が高い掃除が大変換気に使用できないカーテンが取り付けられない |
和室に円窓を用いることで、洗練された和モダンの空間を作り出すことができるため、非常に人気が高いです。
しかし、設置場所によっては掃除が面倒という一面やコストがかかるという面があるため、メリットとデメリットを総合的に確認して判断する必要があります。
ぜひ本記事を参考にして、和室に丸い窓を設置してみてはいかがでしょうか。
>この記事の担当者(執筆/監修)<
株式会社スマイクリエイト代表取締役/1972年5月 福岡県生まれ
・賃貸不動産経営管理士<登録番号(1)057435>
・三協アルミ(一新助家)加盟店
20代の頃は、水道メンテナンス業務を約6年経験、2003年(31歳)に老舗サッシ屋に入社。ガラス・サッシ・ドアの修理リフォーム業務に従事。その間、アパート2棟を新築、建築から修理まで住宅について様々な体験を通じ知識の習得、キャリアを積んでいく。
2019年5月にネット集客に特化したサッシ・ガラス屋ビジネスを創業。ネット集客ができる強みを生かし、集客から施工まで一貫して自社完結できるビジネスを成立させる。この事により、お客様へ、お得な料金、安心した修理リフォームサービスを提供できる仕組みを構築した。
より一層の顧客満足・従業員満足・社会貢献を目指し、トライ&エラーの毎日を奮闘中。